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2022.07.05

異常気象に備えた対応・対策③ 多雨・曇天の対策について

各地例年より、20日前後早く梅雨が明け、先週は早くも猛暑を予感させる気候でした。一転して、今週は台風4号の影響もあり、多雨・曇天・高湿度の日々が続いています。

今回は、多雨・曇天の対策について、作物、生育ステージや圃場条件により行われている対策について、ポイントをまとめてお伝えします。

◎酸素供給剤 

ゲリラ豪雨・長雨では排水が悪い圃場などでは、根腐れを起こします。降水中に流水している状況では溶存酸素量は不足しませんが、滞水する状態では溶存酸素量が不足し、根が酸欠になります。酸素供給剤などを施用することで、酸素を補い、根の枯死を防ぎ、下葉の黄化など生育不良の回避が期待できます。(おすすめ商品:オキソパワー5M・O・Xなど)

◎発根剤

曇天に限らず、高温・乾燥など異常気象に対応するには、健全な根張りが重要です。しっかり根が張っていると、曇天後の快晴時でも蒸散に必要な水分をしっかり吸い上げ、萎れなどのストレスも軽減されます。発根を促す効果には、酸素系、鉄系、リン酸系、酵素系、微生物系など多様な商品がありますので、作物や課題に合致する製品をお探しください(おすすめ商品:発根力地楽園

◎鉄剤

曇天が続くと日照量が不足し、葉色が薄くなります。その要因は、葉緑素で光合成が十分に行えていないことが要因のひとつです。葉緑素の生成には鉄が必要とされ、鉄を補給することも大切です。光合成の働きを高め、窒素の転流促すことで、窒素過剰や軟弱徒長を抑えることができます。(Fe-ver鉄力あくあなど)

◎亜リン酸

鉄剤の項目でも触れましたが、曇天が続くと、植物内の窒素が十分に消化できず、病害の増加、軟弱徒長、果実品質の低下などが発生します。吸収率のよい亜リン酸を施用することで、拮抗作用により窒素の吸収を抑えることができます。なお、亜リン酸は生育に急ブレーキをかかる状態になりますので、樹勢が弱い、生育初期などの施用には適しません。生育状態を見ながら、薄めの希釈倍率での施用や散布間隔などを調整や工夫してください(ホスベジ10など)

* 「異常気象に備えた対応・対策② 露地・育苗・定植の高温対策について」もあわせて参考ください。