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2023.04.27

【事例報告】赤色LEDによるイチゴのアザミウマ防除

花卉を中心に公的機関の実証が報告されています「モスバリアジュニアⅡレッド」を販売する㈱ユニコ モスバリア事業部とともに、先日、イチゴ向けの実証区を訪問をしてきました。

実証区の様子
  • 品目 : イチゴ
  • 地区 : 静岡県
  • 目的 : ヒラズハナアザミウマへの防除効果確認

モスバリアジュニアⅡレッドは、各地のイチゴで導入を頂いていますが、ヒラズハナアザミウマを対象とした評価が十分に入手できておりませんでした。今回、地元の販売店およびJA様に協力を頂き、毎年、ヒラズハナアザミウマでお困りの圃場に設置し、実証を行いました。状況は以下のとおりでした。

ヒラズアザミウマの発生状況(慣行区にて撮影)

実証の状況

  1. 照射区は慣行区に比べ、花にいるヒラズハナアザミウマの頭数は少ない。慣行区は5匹以上多発している花がみられ、照射区にみられない(1~2匹は存在している花はあり)。
  2. 目視であるが、照射区のヒラズアザミウマも活動は活発ではない印象。
  3. 照射区は、花弁の褐変や汚れ、ガク周辺部の変色、果実の褐変(種子周辺のくぼみ)があまりみられず、被害果率の低減につながっていると推測(数値的な検証はできておらず、次作で調査)。
  4. 株が大きくなっており、植物体と製品の距離が近づいており、設置高さの修正が必要と認識しました。葉が込み合っていると、光合成や化学的防除も含め効果が低下するため、作業が忙しい中ですが、葉かきを遅れず進めて頂くようご案内しました。
アザミウマの被害の状況

留意事項

  • 本実証区に限らず、照射区と慣行区の比較条件やハウスは同じでないため、2~3年程度を継続して評価を確認する。周辺の発生状況、年回りの発生状況、天敵の導入の有無や抑制効果、ドアや道路側、風向きなどを踏まえ、総合的に検証や判断が必要。
  • メーカーの推奨する照射距離は、一定の強度が到達する距離から算出されている。アザミウマの活動抑制や効果を担保するものではない。また、赤色どの波長かも重要。メーカーの推奨する照射範囲に基づき、ハウス構造や谷部の形状を考慮したうえで、設置場所や高さを検討する。必要に応じて、調整や見直しを行う。
  • 赤色LEDの効果の評価は、アザミウマの頭数だけでなく、被害果率を含めた検証を行う。ハウス侵入軽減効果よりも、活動抑制の効果が大きいと推測される。(参考:トルコギキョウの実証結果

今後の取り組み

本件の赤色LEDを用いたアザミウマ防除をはじめ、光資材の活用はまだまだ不明瞭な部分はありますが、さまざまの防除技術や栽培管理と組み合わせることで、生産者の収益性向上や省力化に繋がると考えています。引き続き、メーカー、販売店、指導機関の皆様とともに、実証や技術の確立、正しい使用方法の普及・啓蒙を進めてまいります。

製品のお問い合わせは、㈱ユニコ モスバリア事業部(TEL: 0869-67-2424また、タキイ種苗まで。「タキイ農業資材オンライン」を見たとお伝え頂くとスムースです。