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2025.12.17

補光による生産性の向上の実証 -矢車草の開花促進ー

今回は、ハナオカ社の補光用LED「グロースライトシリーズ」の実証について進捗を報告を致します。

ご相談を頂いた生産者の方は、さまざまなエディブルフラワー(食用花)を栽培されています。収穫物は自社で乾燥され、ドライエディブルフラワーとして順調に販売を伸ばされてきました。半面、需要に対して、供給(製品在庫を含む)が追いつかなくなってきておられます。また、草花の開花は春と秋に集中するため、収穫作業や乾燥機の稼働が集中することにも頭を悩まされています。

取り組む品目は、キク科の一年草で観賞用や切り花として人気がある矢車草(コーンフラワー)です。ヨーロッパが原産地で、草丈は30~80cm程度で5月~7月(日本では春~初夏)に開花する特性があります。青が代表的な花色ですが、白・ピンク・紫などもあります。

矢車草の特長・性質は以下の通りです。

  • 耐寒性が強く、寒冷地でも育ちやすい。暑さにはやや弱いので、真夏は生育が鈍る。
  • 日当たりを好む植物。半日陰でも育つが、花付きは悪くなる。
  • 水はけの良い土壌を好む。やや乾燥気味の環境が適している。
  • 病害虫に比較的強く、直根性で直播きが基本。

そのような中で、矢車草(コーンフラワー)をハウスで栽培することで、作期の前進をできないかと検討されてきました。昨年は、冬季に草丈は伸びたが、春先まで開花には至らなかったそうです。秋に開花もするため、今年は栽培を前倒しすることで温度を確保し、秋~冬の収穫にも取り組まれています。

補光については9月に関係者で打ち合わせを行い、10月下旬に設置を行いました。今回の実証の概要は以下のとおりです。なお、実証区①、実証区②、慣行区の植え付け時期は異なります。

実証区①ハウスType-5000K
(光量強、遠赤並)
・2mピッチ、2列
実証区②ハウスType-D
(光量弱、遠赤強)
・2mピッチ、1列
・低コスト仕様
慣行区露地設置なし    ー
実証区① TYPE-5000K 2列 
実証区② Type-D 1列

秋~冬にかけて、補光による開花や生育の促進効果があるのか、波長による生育差などを確認していくこととなりました。進捗については、次回に報告します。