一歩、踏み込んだ遮熱対策の取り組み(露地偏)
7月30日には、兵庫県丹波市柏原町では気温が41.2℃に達し、国内の歴代最高気温の記録を更新した報道がありました。各地で体温を上回る37~38℃を超える気温が記録されており、「危険な暑さ」に対して十分な対策をとって、お過ごしください。
さて、現在作付けされている水稲や大豆、夏野菜をはじめ、これからはじまる秋冬野菜の播種・育苗でも、昨年に続き、今まで通りではなく暑さに対する対策が必須となっています。今回は現場で取り組まれている取り組みを紹介させて頂きます(露地偏と施設編の2回に分けて紹介します)。
明日葉での取り組み
明日葉は三宅島や八丈島など、温暖な地域に自生する日本原産セリ科の多年草です。今日摘んでも明日には芽が出る(実際には1週間ほどかかる)と言われるほど生命力が強く、成長が早いことから「明日葉」と名付けられているそうです。一般地での明日葉の栽培は、春先に定植し越夏・越冬させた後、翌年の春先から初夏に収穫されます。

近年は猛暑で株の越夏率が低下し、翌年以降の収量が減収しているそうです。特に、昨年の被害は著しく、試験も含めて、本年はやれる対策はできるだけ取り組むという方針で臨まれています。

春先の作付から計画的に、作業を進められました(ソルゴーの生育はこちら)。


7月末は、通路に蒔いたソルゴーがしっかり成長し日除けになっています。通路をまたぐように雑草に明日葉は覆われていますが、問題ないそうです。昨年は、8月~9月にかけて枯死する株が増えたそうで、取り組みの効果は今後、検証が進められます。


定植にあわせてソルゴーを播種するため一部、播種が遅い圃場ではソルゴーの生育が不足している点は課題とのこと。また、次年度はもう少し草丈の大きくなるソルゴーを検討されています。
なお、圃場に潅水設備はないため、地元の水道業者さんとともに、給水装置を製作されています(改良を重ねているそうです。生産者さんのInstagramにて公開中)

引き続き、気候変動に対して、さまざまな角度から対策をご提案し、ともに実証をすすめることで、栽培安定や収益性向上に貢献していきたいと思います。次回は、施設編をご紹介します。